中古のスマホやタブレット(端末)について調べていると「ネットワーク利用制限:×」や「赤ロム」という言葉を目にすることがあります。
ネットワーク利用制限が×の(赤ロム化した)端末やネットワーク利用制限が△の端末はそうでない(ネットワーク利用制限:〇)端末と比べて数千円~数万円以上安いこともあるためすぐ買いたくなってしまうかもしれませんが、知識がないままに買ってしまうとトラブルになりかねません。
この記事では、「ネットワーク利用制限」「赤ロム」について解説しています。
「ネットワーク利用制限:×」もしくは「赤ロム」とは
まず「ネットワーク利用制限:×」と「赤ロム」は言い方が違うだけで、意味は全く同じです。
当記事ではこれ以降「赤ロム」と統一します。
赤ロム(化)とは、特定のスマホやタブレットを販売元キャリア(Au/Docomo/SoftBank/楽天)が自社回線のネットワークを利用したSIMカードを使えないように制限する・したことです。
赤ロム化の影響範囲はMVNO(格安SIM・格安スマホ)にも及びます。
例えば、Auがある端末を赤ロム化するとその端末ではAuのSIMカード(プラン)を使えないのはもちろん、サブブランドであるUQ MobileやPovoのSIMカードも使えなくなる他、mineoのAu回線等のSIMカードも使えなくなります。
キャリアが特定のスマホ・タブレットを赤ロム化する理由
大きく分けて以下の2つの理由があります。
販売元キャリアの利益確保の為
もし赤ロム化がなければ、端末を割賦(分割)払いで購入された後、支払いを早期に止められると、高性能な端末を安価で買われてしまう(持ち逃げされる)ことになります。
そのまま使われるにしろ、転売されるにしろキャリアにとっては赤字でしかありません。
そこで赤ロム化の出番です。
赤ロム化すると端末を(まともに)使い続けることは出来ません。
転売するにも赤ロム化していることで端末の価値が激減するためあまり値段が付きません。
つまり、赤ロム化があることで持ち逃げを考えている人にそうさせないように牽制をかけることができ、結果的にキャリアの利益確保につながります。
ちなみに、持ち逃げすると端末を赤ロム化されるだけでなく他社も閲覧可能な第三者機関に「この人は支払いをちゃんとしない人です」といった情報が登録されます。
持ち逃げした携帯会社以外でも契約を断られやすくなるので、当然ですが持ち逃げはしないようにしましょう。
不正契約(利用)が発覚した場合/盗難の場合
その端末が犯罪に使われていることが発覚した場合、不正な方法で契約された場合(偽造の身分証明書を使われた場合など)、契約者本人もしくは利用者として登録した人が使っていないことが発覚した場合や盗難された端末である場合は不正利用を防止するためにネットワーク利用制限がかけられます。
「ネットワーク利用制限:△」とは
ネットワーク利用制限:△とは、割賦払いの途中に中古品として出された端末の事です。
契約者が支払いを途中で止めると赤ロムになってしまうというリスクがあります。
しかし、リスクをそこまで恐れる必要はありません。
赤ロムになる可能性は低いからです。
それに、赤ロム保証(赤ロムになった時に同等品と交換又は返金)のあるところで購入すると、赤ロムになってしまっても損しません。
それでいて安いという特徴があります
これらの理由から「ネットワーク利用制限:△」の端末はしっかりと保証のあるところであればお買い得であると筆者は考えます。
なお、ごくまれにSIMフリー端末(メーカー等から直接購入した端末)であってもネットワーク利用制限:△となることがあるようです。
その場合、該当キャリアに電話することでネットワーク利用制限を〇にすることが出来ます。
ネットワーク利用制限:〇とは
「ネットワーク利用:〇」の端末は、端末代金が完済された(一括購入された)端末やSIMフリーの端末の事です。白ロムとも表現されます。
白ロムは、永久的に通信事業者の制限を受けないことが保証されており、安心して購入・使用出来ます。
…と説明しているところも多いですが、実は白ロムから赤ロムになる可能性があります。
例えばその端末が盗難品だと分かった時や、キャリアの紛失・盗難補償を使って別の端末と交換された時に白ロムから赤ロムになります。
そのため、白ロムを購入する場合であっても赤ロム保証のあるところで購入した方が良いでしょう。
ネットワーク利用制限がかかっているか調べる方法
上記サイトに端末のIMEI/MEIDを入力することで確認することが出来ます。
iPhone・iPadだと設定アプリ→一般→情報の順にタップすることでIMEI/MEIDを確認することが出来ます。
赤ロム保証を受ける時は「返金・買いなおし」がおすすめ
もし万が一、赤ロム保証を受ける必要が出て来たときは「同等品と交換」ではなく返金対応を受けて、そのお金で改めて別の中古スマホを購入することをおすすめします。
その方がお得な可能性があるからです。
例えばiPhone 11 64GBを50000円で購入した1年後に赤ロムになってしまい赤ロム保証を受けるためにそのショップに行ったとき、同等品と思われるiPhone 11 64GBが40000円に値下がりされていたとします。
同等品と交換だと手元に何も残りませんが、返金してもらって買いなおすことで、10000円手元に残ります。
また、容量が多いモデル(128GB)が50000円で売られていて手出し無しで容量アップできたり、赤ロムになったモデルより新しいモデルが50000円で売られていて手出し無しで性能アップできたりする可能性もあります。
ただし、端末のセール期間中に買った、一部しか返金されないという場合は同等品と交換する方が得するケースもあるので状況に応じて賢く判断しましょう。
使い方によってはあえて赤ロムを購入するのも全然あり。
記事の最初の方でも説明しましたが、赤ロムとは特定のスマホやタブレットを販売元キャリア(Au/Docomo/SoftBank/楽天)が自社回線のネットワークを利用したSIMカードを使えないように制限する・したことです。
スマホが全く使えなくなる・通信出来なくなるわけではありません。
カメラを使うといったオフラインで出来ることは普通に出来ます。
また、Wi-Fi環境では普通に通信機能を使うことが出来ます。
また、極まれに赤ロムの中にはSIMロック解除されたものも存在します。
この場合、バンドが対応していれば赤ロム化した通信事業者以外の回線を使ったSIMカードを挿せば普通に通信・通話することが出来ます。
例えば、Auの赤ロム化したiPhoneでもSIMロック解除されていればDocomoやSoftBank回線のSIMカードを挿して普通に使うことが出来ます。
ネットに繋げる必要がない方、外に持ち出す予定のない方・ポケットWi-Fiを持ち歩いている(通話する必要がない・通話は別の端末で行う)という方、その端末では赤ロムしたキャリアのSIMを使う必要はないという方はあえて赤ロムを購入するのもありでしょう。