本稿では、iCloudの有料プラン「iCloud+」とGoogle Oneの有料プランを、実際に両方とも契約している筆者が比較・解説します。
月額料金比較
iCloud | Google one | |
無料 | 5GB | 15GB |
50GB/100GB | 50GB/150円 | 100GB/250円(年額2500円) |
200GB | 450円 | 380円(年額3800円) |
2TB | 1500円 | 1300円(年額13000円) |
5TB/6TB | 6TB/4500円 | 5TB/3300円(年額34800円) |
10TB/12TB | 12TB/9000円 | 10TB/6500円 |
20TB | 13000円 | |
30TB | 19400円 |
Google oneの方が選択肢が多く、料金も安いです。
有料プラン特典比較
有料プランはストレージが増える以外にも、ストレージを共有できるなどの特典があります。
iCloudの有料プラン特典
Safariを見ている時にプライバシーを保護できる「iCloudプライベートリレー」、ダミーのメールアドレスを作れる「メールアドレスを非公開」機能、独自ドメインのiCloudメールが使える「カスタムメールドレイン」、HomeKit対応防犯カメラをホームアプリに追加して外出先からでも防犯カメラの映像を確認できる「HomeKitセキュアビデオ」(50GBプランの場合は1台、それ以上は5台)が特典として利用できます。
また、最大5人(自分含めて6人)とストレージを共有できます。
Google oneの有料プラン特典
100GB/200GBプランでは最大5人(自分含めて6人)とストレージを共有できます。また、GoogleスペシャリストによるGoogle Drive/Google フォト/Gメールに関するサポートを受けることができます。2TB以上のプランはストレージ共有、サポートに加えて、GooglePhotoでの編集マジックの保存回数が無制限になる、Google Workspace のプレミアム機能が利用できます。
Google Storeで使える割引クーポンが配布されることがあります
特典以外の違い
ストレージ共有時の無料ストレージの扱い・表示
iCloudはストレージ共有を行うと無料ストレージ分が消失します。
例えばAさんは無料プラン(5GBプラン)のまま、Bさんが200GBプランに加入し、この二人でストレージを共有するとAさんBさん合わせて200GBまでiCloudストレージを使用できます。
Google Driveは共有を受ける方の無料ストレージ分は消失しません。
Aさんは無料プラン(15GBプラン)のまま、Bさんが200GBプランに加入し、この二人でストレージを共有するとAさんは自分のGoogleアカウントの無料分(15GB)を使いきった後にBさんのストレージ容量(200GB)を消費する形となります。
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上記画像はストレージを共有したGoogle Driveの使用状況の確認画面のスクショです。
左側は無料プランでストレージを共有してもらった側(Aさん)、右側は100GBプランにアップグレードしてストレージを共有した側(Bさん)です。
ストレージの共有を行っているため、両者ともストレージの最大容量(保存容量)は100GBとなっていますが、使用状況を見るとAさんは100GB中3.61GB使用中となっているのに対してBさんは100GB中18.57GB使用中となっています。
この違いはAさんの方には15GBの無料ストレージ分を引いた容量が表示されているからです。
実際、3.61(GB)に15(GB)を足すと18.61(GB)となり、Bさん側の端末に表示されている容量とほとんど変わらない値となります。
これをしっかり理解しておけば何も問題ないものの、(特に共有を受ける側が)理解していないと「まだまだ余裕がある」と勘違いしてデータをたくさん保存してしまい、共有した側が全然使えないといったトラブルに繋がる可能性があります。
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上記画像はストレージを共有したiCloudの使用状況の確認画面のスクショです。
共有してもらった側も、共有した側もほとんど同じ数値が表示されているため、今iCloudストレージがどれだけ使われていてどれだけ空いているかが単純明快です。
検索精度(iCloud写真/Googleフォト)
圧倒的にGoogle フォトの方が検索精度が高いです。
iCloud Drive/Google DriveではなくiCloud写真/Googleフォトで写真・動画の管理を考えているのであればGoogleの方にお金を払うことをおすすめします。
アップロードしたファイルの閲覧スタイル
iCloud Driveは保存されている写真・動画を見る時にはダウンロードが必要です。
端末に空き容量が無ければ見れないことがある他、特に動画はすぐに見れないため「ちょっと確認したいだけ」の場合、ストレスに感じます。
Google Driveはいわゆる「ストリーミング再生」が可能で、端末の空き容量が無くてもファイルを確認できます。
共有フォルダのストレージ負担
iCloud Driveは共有フォルダを作成した人のストレージを消費します。
例えばAさんは無料プラン、Bさんは200GBのプランに加入しているとします。
Bさんが共有フォルダを作成しAさんと共有、Aさんが共有フォルダにファイル(写真/動画)をアップすると、消費されるiCloudストレージの容量はBさんのものとなります。
一方、Google Driveはファイルをアップした人のストレージを消費します。
Bさんが共有フォルダを作成しAさんと共有、Aさんが共有フォルダにファイル(写真/動画)をアップすると、消費されるGoogleストレージの容量はAさんのものとなります。
Aさんがすでにストレージ容量を使い果たしていると、共有フォルダにAさんはファイルをアップすることができなくなります。(Bさんがアップしたファイルを見る・ダウンロードすることは可能。また、別途BさんがストレージをAさんと共有していればAさんもアップ可能)
他アプリ・サービスとの連携
iCloud DriveはApp Storeで公開されているアプリと連携できることは多いものの、webサービスで連携できることは少なく、Android用のアプリもありません。(非公式だとありますが、筆者の環境では使えませんでした。)
Google Driveは多くのアプリ・webサービスと連携しており、iPhone用のアプリも存在します。
他社製品・他社サービスとの相性、つまり汎用性の高さはGoogle oneに軍配が上がります。
どちらがおすすめ?
Apple製品を1台しか持ってなく、50GBあれば十分という場合やApple製品を複数所有している(Apple製品をメインに使用している)場合はiCloud+が、そうでない場合はGoogle Oneがおすすめです。
Apple製品からGoogleストレージはそこそこ快適に使えますが、他社製品、とくにAndroidからiCloudストレージを使おうとするとブラウザ(icloud.com)から利用することになるため使いずらいと思う人が多いでしょう。