本稿では、障がい者にスマホは必要かASD(自閉症スペクトラム障害)当事者である筆者の意見を紹介します。
想定する障がい者のレベル
一口に「障がい」と言ってもその種類や程度は様々なのですが、ここでは発達障害や知的障害の軽度段階(ところどころサポートを必要とするが、常時は必要ない)であることを想定します。
障がい者にスマホは必要か?
筆者は「必要」それもなるべく早めに持たせることを前向きに検討するべきだと考えます。
スマホ(ネット情報)を必要とするような生活をしていない、何かあれば周りにいる人や支援員などに聞けば良く、本人にスマホを持たせる必要ない(スマホ代・通信費が勿体ない)と考える方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、それは「今スマホを持っていない(持たせていない)」が故の判断とも言えます。
筆者はスマホがあることで世界が広がりました。端から「必要ないだろう」と渡さないのは勿体ないと思わざるをえません。
トラブルを心配する必要はあまりない
詐欺被害に遭ってしまうのではないか、不適切な投稿(書き込み)をしてしまい炎上したり、逮捕されたりするのではないかとトラブルを心配する必要はないと筆者は考えます。
その根拠ですが、障がい者の方が健常者の方と比べてとりわけ多くトラブルに巻き込まれている・事件を起こしているというデータは筆者の知る限り存在しないことです。
恐らく、トラブルに巻き込まれたり、事件を起こしたりしてる人の大半が健常者でしょう。
トラブルに巻き込まれるか、事件を起こすか起こさないかは障がいの有無は関係なく教育・指導によるものと筆者は考えます。
不安なら家でテストから判断しよう
そうはいっても不安…と思うのであれば、最初に家でのみ使わせて判断されることをおすすめします。
その際、できればSIMも入れましょう。
家でしか使わないんだからSIM入れる必要ないんじゃないの?と思われた方もいると思いますが、SIMなしだと電話・SMSができません。
こちらから電話の発信やSMSの送信ができないのは問題ない(必要ない)としても、着信しない・SMSが届かないことで、電話やSMSを介した詐欺などへの対応力が判断できません。