近年eSIMに対応した端末や通信事業者が増えてきたことや、eSIMを検討している人も多いでしょう。
eSIMにはいい面もある一方、通信事業者が教えない「悪い面」もあります。
本稿では、通信事業者の教えてくれないeSIMの悪い面について紹介します。
eSIMのデメリット
端末の故障・機種変更時に電話番号をしばらく使えないリスクがある
スマホが故障して他の端末に移し替える時や機種変更した時など、SIM(カード)を移動させたい時に物理SIMであればSIM(カード)を24時間365日いつでも移動させることができます。つまり電話番号を使えない期間がほとんどありません。
一方eSIMは移動させるには、通信事業者のサイトにアクセスし、eSIMの再発行手続きをしなければなりません。(iPhone間かつMNOのeSIMはこの限りではありません。)
通信事業者によっては再発行受付時間が限定されていますし、本人確認する必要があります。
他のスマホがeSIMに非対応だった場合、物理SIMへの変更手続きをしなければならず、電話番号が使えない期間が数日間に及ぶ場合もあります。
電話番号を使って電話しない(LINE通話などを使う)から電話番号が使えない期間あっても影響ない、と考える人もいると思いますが、そうとも限りません。
アプリの登録や二段階認証ができず、しばらくアプリ・サービスを使えない可能性があります。
SIMを移動するのにお金がかかることがある
物理SIMであれば、SIMを別の端末に移動させるのにお金は一切かかりません。
しかしeSIMの場合、MNOだとかからないことがほとんどですが、MVNOだとほとんどの通信事業者が再発行手数料を設定しています。中には1000円もの手数料を設定している通信事業者もあります。
トラブル発生時の問題の切り分けが難しいことがある
万が一通信出来ないなどのトラブルが発生した際、SIM(回線)に問題があるのか、端末に問題があるのか、物理SIMかつ他に端末があれば移し替えることでどちらに問題があるのかすぐに分かります。
eSIMだと問題の解決に時間・労力・お金を要する可能性があります。
eSIMのメリット
一応、eSIMのメリットについても紹介しておきます。
最短即日通信開始できる
物理SIMの場合、審査完了後、SIMカードが自宅に届くのを待たなければなりません。
どんなに早くても1日はかかるでしょう。
eSIMであれば、早ければ申込から30分で利用開始できます。
実家帰省中などでも契約可能
携帯電話不正利用防止法によって、音声通話機能付きSIMカードは本人確認書類に記された住所にしか配送することができません
実家帰省中などに契約して使うことや乗り換えることは物理SIMの場合は難しいですが、eSIMだとほとんど問題ありません。(日本通信SIM/HISモバイルは「住所確認コード」が発送されるため、一人暮らしで帰省中などだと難しい)
月額料金が安い場合がある
通信事業者によっては、eSIM専用で安価なプランを提供しています。
例えばIIJmioというMVNOのデータ通信専用SIMの料金は物理SIMだと2GB740円~のところ、eSIMだと2GB440円~と月々300円も安く提供されています。
紛失・盗難時に探し出せる可能性が高くなる
物理SIMだと、悪い人によってSIMカードを抜かれて端末の位置を追跡できなくなる恐れがあります
eSIMだと端末のバッテリーが切れるか、電源を切られない限りは、端末の位置を追跡できます。
(iPhoneの場合、SIMカードを抜かれても、電源を切られても追跡可能です。)