【iPhone】Type-C搭載を喜んではいけない理由

iPhone

ついに(EUの圧力によって)iPhoneもLightningから脱却、iPadやMacbook、そしてAndroidデバイスと同じType-C端子(USB Type-C)を搭載しました。
これによりケーブルを1本化出来る等、利便性が向上したわけですが、筆者は手放しには喜べません。

技術革新が阻害された可能性がある

EUが、充電端子を統一しろと言ったのは今回が初めてではありません。
2014年にも「microUSBに統一しろ」と命令しています。

結果はご存じの通り、microUSBに統一されることはなかったわけですが、そのおかげか「Type-C端子」という新しい規格が制定され、リバーシブル(裏表のない)仕様になり、急速充電や高速データ転送が可能になる等技術革新が起きました。

今回、EUの圧力によってType-C端子に統一されたことで、このような技術革新が阻害された可能性が大いにあります。

Type-Cの問題点

繰り返しになりますが、Type-Cは「リバーシブル」「急速充電」「高速データ転送」そして「高い互換性」と、micro-USBやLightningにない特徴を備えていますが完ぺきではありません。

Type-C(ケーブル)には端的に言うと「複雑すぎる」という問題があります。

まず、充電一つとっても「5W」から「240W」まであります。
LightningやmicroUSBでは「ケーブル挿しているのに充電出来ない・充電しているのに残量減っていく(充電量より放電量の方が多い)」となることはほとんどありませんでした。(iPhone用の充電器でiPadを充電している時に発生するぐらい。)
しかしType-Cだと、このような現象が多発します。
しかも充電出来ない原因が「出力が足りない」ではなく「出力が大きすぎる」ことだったりします。

次に、ディスプレイ出力出来るものと出来ないものに分かれます。

そして、何より複雑なのが「データ転送速度」です。

microUSBはUSB2.0固定でした(USB3.0に対応したmicroUSBもあるが形状が違うのですぐに分かる。)し、Lightningも一部のiPad Pro以外はUSB2.0でした。

しかしType-C端子では「USB3.0」「USB3.1Gen1」「USB3.1Gen2」「USB3.2Gen1」「USB3.2Gen2」「USB2.0」の6つの規格に対応しています。(細かいものやThunderbolt等を合わせればもっとあります。)

しかも「USB3.0」と「USB3.1Gen1」と「USB3.2Gen1」は名称が違うだけ(中身は同じ)で転送速度は5Gbps、「USB3.1Gen2」と「USB3.2Gen2」も同様に名称が違うだけで転送速度は10Gbpsという迷走っぷりです。

「充電速度」「ディスプレイ出力」「データ転送速度」の組み合わせによって無数の性能パターンのType-C(ケーブル)が混在するにも関わらず、見た目では判別できないことがほとんどであり、これこそがType-Cの問題点です。

もしType-C統一が無ければ、この複雑さが解消された新規格が出ていたかも知れません。
それを思うとiPhoneにType-Cが搭載されたことは果たして、本当に喜ばしい事でしょうか。





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